諦めない
腫瘍(がん)治療

Never give up on tumor (cancer) treatment
  • 京都府随一の治療症例数
  • 腫瘍治療の実績豊富

このような症状
ございませんか

  • しこり・イボ
  • 元気・食欲低下
  • 体の痛み・ふらつき
  • 呼吸困難・咳
  • 頻尿・血尿
  • 体重の減少
  • 多飲・多尿
  • 嘔吐・下痢・便秘
  • 鼻血・くしゃみ・いびき
チェック
項目
内容 考えられる腫瘍疾患
目の輝き、白目の黄ばみ、目やに、目の周辺のできもの、眼球の大きさ、目を痒がっている、目が見えていない。 マイボーム腺腫、メラノーマ、鼻腔内腫瘍
耳の汚れ具合、耳の周辺のできもの、耳を痒がっている、耳や頭を振る。 耳垢腺腫・癌、皮脂腺腫、扁平上皮癌
鼻周辺のできもの、鼻水の色、くしゃみ、いびき、呼吸の状態、出血、顔や鼻の歪み 鼻腺癌、鼻腔内リンパ腫、口腔内扁平上皮癌、皮膚組織球腫
歯茎や歯、舌の異常、口臭、歯周病、口の中のできものやただれ、出血、よだれの量、できものの色 メラノーマ、口腔内扁平上皮癌、線維肉腫、歯源性腫瘍
皮膚 皮膚のできものやしこり、炎症、腫れ、出血、痛がる、しこりが急に大きくなっている。(経過観察の場合) 扁平上皮癌、皮膚肥満細胞腫、脂肪腫、軟部組織肉腫、毛包上皮腫、皮膚組織球腫
お腹 触った時に痛がる、不自然な腫れや膨らみ、しこり、(雌犬の場合は、乳腺にしこりがないかをしっかり確認する) 脾臓腺腫、肝臓腫瘍、腎臓腫瘍
痛がる、腫れ、足を舐める、しこり(指の間や肉球の間もしっかり確認する)、筋肉が痩せてきている。 骨肉腫、軟部組織肉腫、組織球性肉腫
リンパ節 コリコリしたしこり(脇の下や鼠径部、あごの下などリンパ節のある部分を確認する) リンパ腫、白血病、周辺腫瘍の転移
歩き方 跛行(はこう)(足をひきずる)している、まっすぐ歩けない。 脳腫瘍、傍脊髄腫瘍、骨肉腫
食べ方 食欲がない、口の動かし方、食べるのが遅い、食べにくそうにしている。 メラノーマ、口腔内扁平上皮癌、歯源性腫瘍
呼吸 咳や息切れ、寝ているときに呼吸が止まることがある、苦しそうにしている。 肺腺癌、心臓腫瘍、気管内腫瘍
排泄物や
分泌物
便や尿の状態、体から異常な分泌液が出ている。 腸腺癌、腸管型リンパ腫、膀胱移行上皮癌

先生の紹介

腫瘍科担当奥 朋哉
  • 日本獣医がん学会認定・獣医腫瘍科認定医
    Ⅰ種及びⅡ種
  • 日本獣医腎泌尿器学会認定医
  • 内視鏡外科担当
経歴
  • 帯広畜産大学
  • 北摂夜間救急どうぶつ病院非常勤勤 (2020年6月-2021年5月)
  • 2022年度チャネルベット通信教育サービスCT ゼミナール修了
所属学会等
  • 日本動物病院協会 (JAHA )
  • 日本獣医がん学会
  • 獣医麻酔外科学会
  • 日本獣医腎泌尿器学会
学会発表履歴
  • 第26回 日本獣医がん学会 胸腔内原発を疑う犬の血管肉腫の2例 2022
  • 第28回 日本獣医がん学会 セルトリ細胞腫の腹腔内リンパ節転移に対して複数回の外科的摘出により長期生存している犬の1例2023
著作
  • 動物看護専門誌as 観察力UPのポイント 2022
  • 動物看護専門月刊誌 動物看護7月号 「治療と看護のボーダーライン」
  • Veterinary Oncology No. 42 低血糖

よくみられる
「がん」の病気

  • 乳腺腫瘍

    乳腺腫瘍は胸部から腹部にある乳線にできるしこりです。良性と悪性のものがあり、見た目では区別つかないことが多いです。痛がる様子はほとんどなく、飼い主さんが乳腺腫瘍を見落とすことにつながります。
    乳房の数は犬で左右5対、猫で左右4対あります。乳腺腫瘍は、リンパ節の支配によっては腫瘍が転移することが考えられます。わきの下にある左右腋窩リンパ節は犬なら第1~3乳腺、また第5乳腺の近くにある左右鼠径リンパ節は犬なら第3~5乳腺に関連しています。また猫はどちらのリンパ節も第1~4乳腺に関連しています。
    では乳腺腫瘍を診察で何を調べるのでしょうか。乳腺腫瘍、腋窩リンパ節、鼠径リンパ節の触診と細胞診を行います。鼠径リンパ節に転移が認められる場合、おなかの中の腰下リンパ節にも転移の可能性がある場合があるため、超音波検査を実施します。また肺転移の有無を調べるために胸部レントゲンを撮影して調べます。
    片側乳腺切除術、全側乳腺切除術、部分乳腺切除術など切る範囲は様々ですが、乳腺腫瘍の治療は第一に手術が考えられます。

  • リンパ腫(悪性リンパ腫)

    リンパ腫は白血球の1つであるリンパ球が腫瘍化したものをいいます。リンパ球はもともと血液、リンパ液などを使って体中を循環している細胞です。このためリンパ腫は体中のどこにでも発生することが考えられます。
    リンパ腫は病変が発生した場所によって、多中心型(複数のリンパ節が腫れる)、消化器型、皮膚型、その他(腎臓、心臓、神経、鼻腔内など)があります。各々の治療については臓器によって異なりますが、リンパ腫について確定診断するためには細胞診(顕微鏡で腫瘍細胞を観察する検査)が必要です。
    さらにリンパ腫の診断には、遺伝子検査であるリンパクローン性解析があります。リンパ球には健康でもT細胞、B細胞がありますが、腫瘍化した場合、肉眼では判別できませんので検査を行います。T細胞由来の腫瘍はB細胞由来の腫瘍と比較して、寛解期間(抗がん剤で腫瘍細胞が消滅した期間)ならびに生存期間が著しく悪いことが知られています。
    治療についてよく使用される抗がん剤には、プレドニゾロン、L-アスパラキナーゼ、ビンクリスチン、サイクロフォスファミド、ドキソルビシンがあります。これらを使って治療をしていきますが、どの薬を何週目か、治療を全何週なのか、治療法によって異なります。

  • 骨肉腫

    骨肉腫は骨から発生する悪性腫瘍の一種です。骨に見られる腫瘍には骨肉腫、軟骨肉腫、骨軟骨肉腫、血管肉腫、組織球性肉腫などがあります。なかでも骨肉腫は骨腫瘍全体の9割を占めています。
    骨肉腫は大型犬~超大型犬に多く見られる腫瘍で、四肢の骨に発生することが多いです。
    四肢に発生した場合、初めは脚をかばうように歩きます。痛み止めを使って初めは治まりますが、腫瘍の進行に伴い痛みの程度も悪化し、激しい痛みに襲われます。骨肉腫では診断時に、レントゲン検査では検出されなくても、すでに肺、骨への転移が起こっていることがわかっています。しかしQOL(クオリティ オブ ライフ)を維持するために、骨肉腫では断脚の手術がすすめられます。
    治療として抗がん剤治療(カルボプラチン)、ビスホスホネート製剤(がんの骨転移の進行を抑える)、放射線治療があります。

  • 肥満細胞腫(MCT)

    肥満細胞は顆粒を含んだ細胞で、免疫反応にかかわる細胞です。これが腫瘍化して肥満細胞腫とよばれています。肥満とはまったく関係のない細胞です。
    肥満細胞腫を、強く刺激すると、細胞の中から大量にヒスタミンが放出されて、ダリエ徴候(腫瘍周囲が赤くはれる、嘔吐、下痢、出血、血圧低下など)を引き起こします。
    犬では皮膚に発生することが多く、皮膚腫瘍の中でも肥満細胞腫が最も多く認められます。また猫では肥満細胞腫が脾臓、肝臓に認められることが多く、皮膚に発生することは少ないです。
    肥満細胞腫に対してc-kit遺伝子変異検査を検査センターなどで調べてもらいます。c-kit遺伝子に変異が認められた場合、イマチニブ・トセラニブなどの分子標的薬(飲み薬)が奏功する可能性があります。
    手術は、皮膚の肥満細胞腫は腫瘍の周囲を大きく取って摘出しなければ、腫瘍を取り残す可能性があります。摘出した腫瘍は病理組織検査を出して、取り残しがないか、また肥満細胞腫のグレードを分類します。
    グレードⅠ:広範囲の外科的切除
    グレードⅡ:広範囲の外科的切除。切除が不完全な場合は放射線療法を行います。抗がん剤(ビンブラスチン、プレドニゾロン、CCNU)を検討します。
    グレードⅢ:局所リンパ節への放射線療法を行います。

  • メラノーマ(悪性黒色腫)

    メラノーマは口腔内(口の中)、皮膚、爪床(爪の付け根)、眼に認められます。中でも口腔内、爪床で認められるメラノーマは悪性度が高く転移のしやすい腫瘍です。口腔内は歯茎だけでなく、舌、口唇の粘膜面や軟口蓋に発生します。症状としては口臭がひどく、口から出血、よだれが増えます。
    メラノーマはメラノサイト由来の腫瘍のため、多くは腫瘍細胞にメラニン顆粒を含み、黒色あるいは褐色という特徴的な見た目でメラノーマを疑うことが多いです。しかし乏色素性メラノーマと言ってメラニン顆粒の少ない腫瘍だと、見た目だとメラノーマと判断することが難しいです。
    治療の第1選択は手術が選択されることになります。できるだけ大きく腫瘍を摘出したいのですが、口腔内は狭くて限界があります。腫瘍を残ってしまうときや、転移がある場合には抗がん剤(カルボプラチン)、放射線療法で補助治療します。

腫瘍の診断の流れ

  • 身体検査・レントゲン検査

    視診と触診を通して、しこりや異常がないかをチェックします。特に、リンパ節の腫れを詳細に調べることは、今後の治療方針を決定する上で非常に重要です。また、身体検査を行い、全身の状態も確認します。レントゲン検査では、X線を使用して体内の組織や臓器の画像を取得し、腫瘍の有無を評価します。この検査は麻酔や鎮静剤を必要とせず、痛みもなく、比較的短時間で行えます。

  • 細胞診検査

    細胞診検査では、病変部から採取した腫瘍細胞の特性や形状、細胞核の大きさを分析することにより、腫瘍のタイプや悪性度を推測し、今後の診断や治療計画を立てます。この検査は侵襲性が低く、痛みも少ないため、素早く評価が可能です。特に慎重な評価が求められるケースでは、専門の病理検査医に検査を依頼し、その結果に基づいて診断を行っています。

  • 超音波検査

    超音波検査は、高周波の音波を使用して体内を画像化する方法で、腫瘍の診断に頻繁に用いられます。この検査では、腫瘍の位置、大きさ、形状、血流の状態、および周囲の組織との関連を評価します。超音波検査は、鎮静剤や麻酔を必要とせず、痛みもなく、比較的簡単に実施できる利点があります。

  • 生検

    組織生検は、腫瘍の確定診断に必要な検査で、腫瘍の一部または全体を摘出してその組織の特徴を分析することで、腫瘍のタイプや進行度を判定し、適切な治療法を決定します。この検査には手術的および非手術的な方法があります。手術的方法では、腫瘍を開いて一部または全体を取り除きます。非手術的方法では、局所麻酔や鎮静下で太い針を用いて腫瘍組織の一部を採取します。採取した組織は病理専門医に送られ検査されます。組織生検は、正確な診断と治療計画の策定に非常に重要な検査です。

CTの紹介

X線を用いて身体の断層画像を撮影する検査方法です。 犬猫でのCT検査には、麻酔や鎮静が必要になりますが、腫瘍の大きさや形状、周辺組織との関係性、腫瘍の進行度合い、転移の有無などを確認し、今後の治療方針や予後についての評価をするためにとても役立ちます。特に、超音波検査では評価が難しい、肺や骨、鼻の中や口腔内などの評価には力を発揮します。

腫瘍の治療について

  • 化学療法

    化学療法は、薬を使い腫瘍細胞に作用して腫瘍の成長を抑制し、症状を改善させる可能性がありますが、その効果は腫瘍のタイプや進行度、個々の体質によって異なります。化学療法は、点滴、経口投与、注射などの方法で投与され、腫瘍の種類やステージ、動物の状態に応じて個別に計画されます。また、外科手術や放射線治療と組み合わせて使用されることもあります。

    一般的に化学療法は、腫瘍細胞だけでなく健康な細胞にも影響を及ぼす可能性があるため、副作用が生じることがあります。副作用には個体差があり、下痢、嘔吐、疲労、免疫機能の低下などが挙げられます。化学療法には「辛い」「苦しい」「毛が抜ける」といったネガティブなイメージがあるかもしれませんが、症状の改善や活力の向上をもたらすケースも少なくありません。化学療法だけでは完治が難しいことも多いですが、生活の質を向上させ、寿命を延ばし、飼い主との時間を増やすことが目的です。

  • 手術

    外科手術の目的は、腫瘍を含む部位やその周辺組織を切除することによって、腫瘍の完全除去、進行の抑制、または症状の緩和を図ることです。腫瘍やリンパ節の切除後、これらを病理検査に提出して、腫瘍の種類や悪性度、進行状況の診断を受け、腫瘍が完全に除去されたかどうかを判断します。

    手術は通常、全身麻酔をを必要とします。手術の方法や範囲は、腫瘍のタイプ、大きさ、位置、患者の全体的な状態に基づいて個別に決定されます。

  • 緩和治療

    緩和療法は、腫瘍患者の痛みや不快感を軽減し、生活の質を向上させることを目的とした治療です。この治療では、腫瘍治療に伴う副作用や症状(疼痛、吐き気、倦怠感など)の管理に重点を置きます。さらに、積極的な治療を選択できない状況でも、愛犬や愛猫の負担をできるだけ軽減する治療を行います。

    緩和療法には、疼痛管理、栄養補給、腫瘍の進行を遅らせるための取り組みが含まれます。この治療では、抗がん剤以外の薬物、温熱療法、サプリメントなどを利用して、ペットの快適さと健康をサポートする方法を提案します。

必要な場合は、
大学病院をご紹介します

当院の腫瘍治療の特徴

  • 豊富な診療経験

    これまでに臨床医として多くの腫瘍疾患を診療してきています。当院だけでも年間300件ほどの腫瘍の診療をしております。

  • その子に合わせた治療提案

    腫瘍の種類や悪性度、患者の体調を考慮し、外科手術が最適な選択かどうかを慎重に検討します。もし切除手術を選択する場合は、腫瘍の切除範囲や方法についても詳細に考える必要があります。完全切除を目指す場合、切除範囲は特に重要です。範囲が不足していると腫瘍が再発する恐れがあり、逆に広げすぎると動物に過度の負担をかけることになります。
    当院では、治療効果を最大化し、動物の負担を最小限に抑えるために、適切な治療方法を常に考慮し、実施しています。

  • CT完備で高度な診断にも対応

    CT(コンピュータ断層撮影)は、X線を用いて体の断層画像を作成し、腫瘍の形状、サイズ、位置などを詳細に観察するのに有効な検査方法です。これにより、腫瘍の性質、周囲の組織への浸潤の有無、および周囲の臓器との位置関係を明らかにすることができます。また、腫瘍が他の臓器やリンパ節に広がっているかどうかも確認できます。

    CT検査自体には痛みや不快感はほとんど伴わないものの、犬や猫を対象とした場合、鎮静や麻酔が必要になることがあります。当院では、CTを使用して診断や治療計画の策定に利用しています。

  • QOLの改善に向けた提案

    可能な限り愛犬や愛猫の苦痛や不快感を減らし、生活の質を上げるために飼い主様と一緒に治療を検討していきます。緩和療法では、疼痛管理、症状のコントロール、栄養補給、終末期ケア、腫瘍の進行を遅くすることを目指して薬や温熱療法、サプリメントなどのご提案をします。

当院の腫瘍診療の流れ

  • 受付・問診

    受付いただきましたら、スタッフから問診させていただきます。どのような症状がいつごろからあるのかお伺いさせていただきます。セカンドオピニオンの場合は、どのような診断でどんな治療をご提案されているかもお伺いします。(ネット受付時のオンライン問診をご利用いただくとスムーズです。)

  • 身体検査

    視診と触診にてしこりがないかを確認させていただきます。特にリンパ節の腫れは今後の治療方針を決める上で重要なためよく触らさせていただきます。その他、身体検査にて全身の状態も確認させていただきます。

  • 検査・処置

    疑う腫瘍に応じて、細胞診検査、血液検査、レントゲン検査、超音波検査など必要な検査をご提案させていただきます。検査にて悪性が疑われた場合には、転移の有無やさらに詳しい検査のためにCT検査や生検などのご提案をし、段階的にご相談しながら検査を進めて参ります。

  • 今後の治療計画のご説明

    検査結果に応じて、外科手術や化学療法、放射線治療などからどんな治療が選択できるのかをご提案します。また、その治療を選択した場合のメリット・デメリットや、どのような経過が予想されるのかをご説明させていただき、これからの治療方針を飼い主様と一緒に決定していきます。

  • 会計・次回予約

    お会計は受付にてさせていただきます。次回の診察日は状態に応じて数日後から1ヵ月を目安にお伝えさせていただきます。

セカンドオピニオンでのご来院について

これまで通院された動物病院で撮影されたレントゲンデータや血液検査結果をCD/DVDでご持参いただく場合、当院のPCに取り込む作業が必要となります。お手数ですが、予約時間の15分前にご来院いただき、受付にてCD/DVDをお渡しくださいますようお願い申し上げます。

診療料金はこちら

お腹の腫瘍を診療した場合(初診)
診察料(診察料+カルテ作成料) ¥3,300(税込)
血液検査(一般、生化学×7項目、CRP) ¥13,013(税込)
レントゲン検査(読影料、撮影料10kg未満×4枚) ¥10,890(税込)
超音波検査(腹部全体) ¥6,710(税込)
合計 ¥33,913(税込)

症例紹介

  • 犬の乳腺腫瘍

    乳腺腫瘍とは、乳腺組織が腫瘍化してしこりができる病気です。雌犬の腫瘍では1番多く、平均発生年齢は10歳くらいです。初回発情前に避妊手術を受けた場合の発症率は0.5%と大幅に低下する為、早期の避妊手術で乳腺腫瘍の予防を期待できます。
    犬の場合は良性が50%、低悪性度が25%(手術で根治可能なもの)、高悪性度が25%(再発・転移のリスクが高いもの)と言われています。そのままにしておくと、肺やリンパ節への転移、腫瘍の自壊や出血、がん細胞の増加により痩せてしまうなどの影響が出てくる可能性がありますので、早期に対応してあげることが大切です。治療の第一選択は外科手術による腫瘍の切除です。手術前に、腫瘍の大きさや成⾧スピード、細胞診(注射針で細胞を採取して行う検査)、転移の有無などから、良性/悪性の推測を行い、その子にあった術式や手術スケジュールを決めていきます。

  • 猫の乳腺腫瘍

    猫の腫瘍の中では3番目に多い病気です。犬と同様で、早期の避妊手術が予防に有用です。6ヶ月齢までに避妊手術をした場合は91%、1歳までに避妊手術をした場合は86%、避妊手術をしていない場合より発生率が減少するという報告があります。
    猫の乳腺腫瘍は犬よりも悪性の確率が非常に高く、80~90%と言われています。また、浸潤性(まわりに広がっていく性質)が強く、高確率でリンパ節や肺に転移するので、手術では広範囲での乳腺切除やリンパ節切除を行う必要があります。悪性度が非常に高い病気なので、避妊手術による予防や、早期発見・早期治療がとても重要です。

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