2020.12.07
門脈体循環シャント その5
門脈体循環シャント(PSS)は「おかしな血管」がある病気です。
なので、「おかしな血管」があれば、診断がつきます。
例えば、この画像を見てください。
胸とお腹の境目の横隔膜あたりの断面です。
上が背中で、背骨が白く見えます。
周りを点線のように囲んでいるのが肋骨です。
その中の黒いところが、肺で、その中の中心辺りに、肝臓が見えているのです。
このワンちゃんは、PSSです。
血管造影をしているので、血管が白く際立って見えています。
緑で囲った血管が「おかしな血管」です。
結構太いようです。
見比べるために、このワンちゃんより軽度のPSSのワンちゃんも紹介します。
見え方は、上の写真と同じです。
緑の血管が「おかしな血管」です。
始めのワンちゃんと比べてみてください。
血管の太さが違うでしょう。
このように同じ位置に「おかしな血管」があるワンちゃんでも、血管の太さが違うように、
同じPSSと診断されるワンちゃんでもいろいろなのです。
当然、症状もいろいろ、治療もいろいろ。