• ホーム
  • ブログ
  • 猫の尿道閉塞の症状と原因、治療について|京都市西京区のダクタリ動物病院京都医療センター

2022.10.20

猫の尿道閉塞の症状と原因、治療について|京都市西京区のダクタリ動物病院京都医療センター

京都市西京区、右京区、南区、中京区、向日市、長岡京市、亀岡市 の皆さんこんにちは。ダクタリ動物病院京都医療センターの院長森です。
今回は、猫の尿道閉塞 の症状と原因、治療について解説させていただきます。

こんなお悩みはありませんか?

・血尿をしている、いつもと尿の色が違う

・尿の回数が多い、何度もトイレに行く

・トイレ以外でも尿をする

・排尿ポーズをとっているのに尿が出ない、出にくい

・排尿時に異様に鳴いたり陰部を舐めたりする。

 

このような場合、「尿道閉塞」の可能性があります。

尿道閉塞(にょうどうへいそく)とは

尿道閉塞とは、なんらかの原因によって尿道(=膀胱から出た尿の通り道)が塞がり、尿が出にくくなったり、全く出なくなったりすることです。初期症状は上記のようなものですが、完全に閉塞すると1~2日で尿毒症や急性腎障害を起こし、命にかかわる怖い病気です。とくに男の子は尿道が細長く曲がっているため、女の子より尿道閉塞になりやすいです。

 

尿道閉塞が起こる原因

結石

結石自体が詰まることも、結石が膀胱炎の原因になることもあります。体質や遺伝、食餌や生活環境などにより結石ができやすくなります。

 

膀胱炎

膀胱炎になり尿に膿や血の塊などが出現すると、尿道に詰まることがあります。猫の場合は、特発性といって膀胱炎の原因が分からないことも多く、病原体(細菌や真菌)の感染が原因となることは比較的稀ですが、高齢であったり腎臓病など他の病気にかかっていたり、尿路に何かしら損傷があったりするときは感染を起こしている可能性があります。また、冬は飲水量が減る傾向にあり、膀胱炎を起こしやすく注意が必要です。

 

腫瘤(しゅりゅう)

稀に腫瘤ができて尿道を圧迫することがあります。

 

尿道閉塞を適切に治療するためのポイント

尿道閉塞を適切に治療するためのポイントは以下の3点です。

 

①正しく尿道閉塞の診断ができるか

尿道閉塞を疑う場合、まず触診で膀胱のサイズを確認し、外陰部の異常がないかを診ます。また、超音波検査やX線検査なども実施し、膀胱の様子や結石や腫瘍の有無などを診ます。

 

②尿道閉塞の治療において豊富な経験を持っているか

尿道が完全に閉塞して24時間を経過すると、一気に重症化リスクが上がります。一刻も早く、かつ尿道を破損しないように注意しながら細いカテーテルを通すなどの処置をして排尿させ、さらに重症度を確認するための検査を行い適切な治療を行わなくてはいけません。入院や様々な検査を要する場合もあるため、治療の実績や経験が重要です。

 

③適切な治療への移行

重症度合いによって治療法が変わる可能性があります。病院によって対応できる範囲が限られることもありますが、その場合でも、適切な病院へ紹介してもらえるかが大切です。

 

ダクタリ動物病院京都医療センターでの尿道閉塞治療について

尿道が閉塞している場合は一刻も早くカテーテルで排尿させ、同時に血液検査・X線検査・超音波検査・心電図検査などで全身状態を確認します。24時間点滴や尿量測定、膀胱洗浄など集中治療が必要な場合も多く、同時に閉塞の原因を調べます。感染が原因の時は抗生剤を、結石が原因の時は、結石の種類に応じて食餌・サプリメント療法を行います。また、尿道閉塞の予防について日常生活の改善を提案します。
残念ながら尿道閉塞が重度で解除できない場合や、うまく解除できても再発を繰り返す場合には手術を検討することがあります。稀に腫瘤が原因の時は、CT検査などの精密検査が必要になる可能性もあります。
尿道閉塞が疑わしい場合は、まず診察に来てご相談ください。