2021.03.31

犬の肝臓の腫瘍 その1

犬の肝臓に腫瘍ができることは、

それほど珍しいことではありません。

腫瘍といっても、もちろん良性もあれば、悪性もあります。

悪性腫瘍といっても、

肝細胞癌とか

血管肉腫とか

肥満細胞腫とかとか

いろんな種類があります。

その種類によって、治療法も変わるし、

予後(今後どうなっていくか)も大きく変わります。

 

今回は、肝臓の腫瘍を疑った犬にCT検査を行った画像をいくつか紹介します。

肝臓の腫瘍は、病理検査といって、腫瘍の全部もしくは一部を取って来て、顕微鏡で見ないと診断できません。

しかし、CT画像でも腫瘍の種類によって、画像の見え方に特徴があるのです。

肝臓の腫瘍 肝細胞癌

例えば、この肝臓を見てください。

これは、仰向けのワンちゃんのお腹の断面です。

上側が頭の方ですね。

肝臓の腫瘍 肝細胞癌 ペイント

オレンジで囲った範囲肝臓です。

赤で囲ったところ腫瘍があります。

 

肝臓よりは、黒っぽく、

中がもやもや見えませんか?

この腫瘍は、肝細胞癌でした。

次は、こちらをみてください。

肝臓の腫瘍 血管肉腫

これもワンちゃんのお腹の断面です。

肝臓の腫瘍 血管肉腫 ペイント

赤で囲ったところに、

腫瘍があります。

 

これは、最初のワンちゃんの腫瘍と比べると、見え方が全然違いますよね。

周りの肝臓に比べると、明らかに黒いし、腫瘍の端っこが、逆に白くもやもやしています。

これは、血管肉腫でした。

こちらの腫瘍の方が、

犬の場合、肝細胞癌よりは、悪いと言われています。

 

このように、犬の肝臓にできた腫瘍といっても、いろんなものがあり、

CT検査でも全く違って見えるものです。