2021.01.24

意図せず見つけた別の病気が・・・ 前編

診断や手術の依頼をいただくこともあります。

依頼の連絡をもらうこともありますし、飼い主さんが独自に来院することもあります。

 

特に、依頼をいただいた時には、

依頼をいただいた病気の診断・治療だけを行うことを心がけています。

他の病気があっても、基本的に、その病気にかんしては、

紹介元の病院に相談してもらうことにしています。

信頼関係という意味で、重要なことなのです。

さて、

ある病気を疑い検査を行った際に、その病気とは関係のない異常が見つかることがあります。

それを、「偶発所見」と言います。

たまたま見つかった異常ということです。

この偶発所見には、頭を悩ませるものがあります。

「異常が見つかったのなら、治療すればいいじゃん」って

そう簡単なものではないのです。

そもそもそれに関しての症状がないのに、治療をする必要があるのかを考える必要があります。

治療するにしても、本来治療をしようとしていた病気とどちらを優先するのか悩ましいものもあります。

そして、依頼を受けていた病気以外の治療を行うべきか苦慮する時があります。

ただ、大きな異常であれば放っておくわけにはいきません。

ある例をご紹介します。

ある病気の治療を依頼されたのですが、大きな異常が見つかりました。

耳のコツ融解

CT検査をしてみたら、鼓室胞(こしつほう)と言って

耳の鼓膜の奥の骨が溶けていたのです。

上の写真はそのワンちゃんの頭の骨を下から見ています。

赤の矢印で示したところを見てください。

骨が溶けていて、骨の内側が見えています。

今回、久しぶりの投稿で、前置きが長くなってしまいました。

急遽、タイトルに「前編」と付けています。

さらに長くなりそうなので、「後編」に続きます。