2021.04.23
病院に置く薬の選択
動物病院では、さまざまな薬を取り扱います。
ヒト用の薬、動物用の薬、
先発薬、ジェネリック薬、
国内薬、海外輸入薬、
いろいろな分類があり、
多くの製薬会社があります。
全ての薬を病院に置くことは到底できないので、
数多ある薬の中から、病院で使用する薬を選択していく必要があります。
私たちの病院の選択
私たちの病院では、次のような基準を設けています。
・動物薬があるなら、優先して採用する
・先発薬を優先して採用する
・ジェネリックはあまり採用しない
・国内で手に入らない薬のみ、海外輸入を行う
動物薬優先
動物病院では、ヒト用の薬を使用することが、ほとんどです。
種類も豊富なので、動物病院でも欠かせません。
それに引き換え、動物専用薬は数が圧倒的に少ないのが現状です。
それでも、動物用薬は犬や猫に特化して作られた薬なので、
効果や副作用の面からみても、ヒト用の薬を使用するよりは良いと考えます。
私たちの病院では、動物用薬を優先して採用しているのです。
価格がヒト用に比べて高価なのが難点ですが。
先発薬優先
私たちの病院では、先発薬を優先して採用しています。
逆を言うと、ジェネリックはあまり採用しないようにしています。
薬の内容にもよりますが、
薬の効果がやはり先発薬の方が優れていると感じることが実際あります。
薬の内容にもよりますが、
学会などでも、先発薬に比べてジェネリックの方が効果が落ちるという意見も聞きます。
ジェネリックをあまり採用しない
実は、以前はジェネリックを全く採用していなかった時期もあるのですが、
最近は採用する数が増えてきています。
理由としては、「欠品対策」です。
コロナ禍ということもあり、いくつかの薬に欠品が増えてきています。
コロナ禍以前にも、欠品はたまにありました。
その際に、ジェネリックがあると、助かるのです。
有事にそなえて、いくつかの薬のバリエーションを持つことが必要だと考えています。
必要に応じて海外輸入薬を採用する
実際に、同じような薬を国内で購入するよりも
海外薬を輸入する方が安い場合があります。
しかし、海外薬の欠点は、すぐには手元に届かないことと、
輸入処理の煩雑さです。
また、連絡もなく(当然ですが)急に欠品になることもあります。
海外薬の魅力は、なんといっても国内では手に入らない薬がある、ということです。
今後は
常に新しい薬が発売されて、情報が届きます。
新しい治療法が発表されて、情報が届きます。
私たちの病院でも、新しい情報を加味して、
基準を変えていく必要があるでしょう。