2023.02.28
京都市西京区、右京区、南区、中京区、向日市、長岡京市、亀岡市 の皆さんこんにちは。
ダクタリ動物病院京都医療センターの院長森です。
今回は、 犬のてんかんの症状と原因、治療について解説させていただきます。
こんなお悩みはありませんか?
・全身がピーンと突っ張り、けいれんする。
・全身をガクガクふるわせるようにけいれんする。
・普段はいつもの生活を送っているが突然、体が震えて立てなくなる。
・体の一部だけ突っ張る、口をパクパクさせる、大量のよだれを出す。
・発作が数秒から数分間あり、その後、もうろうとする。
このような場合「てんかん症」の可能性があります。
てんかん症とは
全般発作
全身や体の一部に、けいれんや意識障害の発作を繰り返す疾患です。
意識の消失を伴う全身性の発作で、全身の筋肉がつっぱったり、震えたり、けいれんしたりします
部分発作
意識があるが、顔面や手足などの体の一部がけいれんを起こす症状や落ち着きなくなる、口をくちゃくちゃする、よだれが出るなどの症状が出ます。
発作は数秒から数分間でおさまり、回復することが多いが、何度も繰り返したり、数十分間も続いたり発作が起こる場合には命に関わることもあります。
てんかん症の原因
大きく以下の2つに分類されます。
①特発性てんかん
脳に異常が見られない原因不明のてんかんで、比較的若い年齢から発症する傾向にあります。全ての犬種に発生しますが、遺伝的な要素が関与すると考えられており、犬種による発生頻度の違いや家系的な発生もあります。
②構造的てんかん
脳神経に何かの異常から発生するてんかんで、脳の炎症、外傷、腫瘍、先天的な異常など、脳の疾患が原因で発症します。
てんかん症を適切に治療するためのポイント
その症状がてんかん症であるかどうかの診断
てんかん症を直接診断するための検査はありません。そのために、てんかん症以外の病気を除外するためにいろいろな検査を行い、慎重に診断する必要があります。
その検査にはどのようなことをするのか?
問診
初めて発作を起こした年齢、時間、回数、その時の状況や状態を詳細に確認します。
検査
血液検査、尿検査、レントゲン検査、超音波検査等で、甲状腺機能低下症、肝臓病、中毒、心臓病など、脳以外の疾患からの発作でないことを慎重に検討します。
神経検査により、神経の反射や知覚の障害がないかを調べます。この検査は「脳に異常がないか」を調べます。さらに、詳しい検査をする場合は、MRIなどの画像検査や、脳せき髄液検査を行ないます
てんかん症の原因による治療
検査結果により、
特発性てんかん:なんら異常もみつからなかった場合。
構造的てんかん:脳に明らかな異常(脳炎・脳腫瘍など)がある場合。
のいずれかを診断し、その原因により治療を始めます。
ダクタリ動物病院京都医療センターでのてんかん症治療について
てんかん症の原因により治療の内容が異なります。
特発性てんかん症の場合は、「抗てんかん薬」という薬による治療が中心になります。発作をしっかりとコントロールすることが出来れば、ほとんどの場合、健康な動物と同じくらいの寿命を全うすることができます。
構造的てんかんの場合は、抗てんかん薬に加え、その発作の原因となる病気の治療も必要となります。病気の種類により治療法も異なるので、獣医師にご相談ください。
てんかん症が疑わしい場合は、まず診察に来て頂き、獣医師にご相談ください。