2020.09.24
門脈体循環シャントの治療経過とは その1
門脈体循環シャントという病気があります。
腸から吸収された栄養を運ぶ門脈という血管は、普通は肝臓に入っていき、肝臓から出てくる時に後大静脈という血管に入っていきます。
その門脈から、肝臓を経由せずに直接、後大静脈に入ってしまうおかしな血管がある病気が門脈体循環シャントです。
とにかく、おかしな血管があって、肝臓に血液が流れ込む量が減るのです。
今回は、手術で治療をした前後をCT画像で比べてみました。
これは、お腹の断面で、白い管に見えるのが門脈という太い血管です。
赤の矢印がおかしな血管を示しています。
血液の流れを説明したのが、下の画像です。
普通の門脈の流れは、オレンジの矢印の流れで、その先に肝臓があります。
そこから分かれるように、青い矢印のおかしな血管への流れができてしまっています。
そこで、おかしな血管を閉じる手術を行いました。
赤の矢印で示したところを見てください、
おかしな血管が消えています。
一番上の画像を見比べると一目瞭然でしょう。
この結果、肝臓へ入る血液の量が改善しました。
その画像は「その2」で紹介します。