2020.08.03

獣医師の教育 その2

今回のテーマは、「おいおい、診断がぬけてるぞ」です。

処置風景

私たちの病院では、新人獣医師が診察に出始めると、先輩獣医師に相談・確認を必ず行うように指導します。

 

最初のうちは、

診察行く前から一つ一つの指示をだして、

検査の合間や説明に行く前にも指示をだして、

診察を進めていきます。

 

少し慣れてくると、指示を出さなくても

主訴(なぜ飼い主さんが診察に来たのか)の聞き取りをして、検査内容を決めて、検査を行い、

その結果を踏まえて、相談に来るようになります。

 

その際に、多いのが、「この症状で検査をしたら、検査結果がこうだったので、この薬を出そうと思います。」というパターンです。

 

これこそが、「おいおい、診断がぬけてるぞ」なのです。

そうなんです、診断が抜けているのです。

主訴 → 検査 → 治療

になっているのです。

 

そもそも、こういう場合には類症鑑別も抜けていることが多いので、検査も妥当ではないことが多いのです。

 

ここは、仮診断でももちろん構わないので、「診断名」をカルテに書くことを義務付けます。

 

診断名を挙げることで、診察過程の曖昧さを減らしていくことができます。