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2022.12.28

猫の尿管結石の症状と原因、治療について|京都市西京区のダクタリ動物病院京都医療センター

京都市西京区、右京区、南区、中京区、向日市、長岡京市、亀岡市 の皆さんこんにちは。ダクタリ動物病院京都医療センターの院長森です。
今回は、猫の尿管結石 の症状と原因、治療について解説させていただきます。

こんなお悩みはありませんか?

・血尿をしている、いつもと尿の色が違う

・元気がない、食欲がない

・吐く、下痢をする

・触ると嫌がる、震える

 

このような場合、「尿管結石」の可能性があります。

 

尿管結石(にょうかんけっせき)とは

尿管結石とは、尿管(=腎臓と膀胱をつなぐ尿の通り道)の中に出来た結石を指します。結石には様々な種類がありますが、猫の尿管結石はほとんどがシュウ酸カルシウム結石です。猫の尿管は直径約0.4㎜と大変細いので、小さな結石でも詰まりやすいのです。尿管は左右にあるため、片方の尿管が詰まっただけであれば、上記のような症状が出ることもあれば、目立った症状が出ないこともあります。ですが、既に腎臓の機能が低下している状態で詰まったり、両側の尿管が詰まったりすると、一気に急性腎不全となり命にかかわる事態に発展する可能性があります。

 

尿管結石ができる原因

食生活や生活環境

過剰なタンパク質やミネラルが結石の原因になることがあります。

 

肥満や生活習慣

肥満などで運動不足になったり水を飲む量が減ったり、トイレに行く回数が減ったりすると結石ができやすくなります。

 

水を飲む量が少ない

猫は元々あまり水を飲まず濃い尿をしているので、寒い時やストレスが大きい時など少しでも飲水量が減るとさらに尿が濃くなり、結石ができやすくなります。

 

遺伝や体質、猫種

スコティッシュフォールド、マンチカン、アメリカンショートヘア、ロシアンブルーなどの猫種の子は尿管結石ができやすいです。

 

尿管結石を適切に治療するためのポイント

尿管結石を適切に治療するためのポイントは以下の3点です。

 

正しく尿管結石の診断ができるか

尿管結石を疑う場合、レントゲン検査で結石の大きさや位置、数などを診ます。また、腎臓や尿管の拡張具合、結石の位置などを診るための超音波検査や、腎機能の確認のための血液検査も必要です。中には、レントゲン検査や超音波検査では発見できないような小さい結石もあるため、尿管の詳細な状態を把握するために、CT検査が必要になることもあります。

 

尿管結石の治療において豊富な経験を持っているか

尿管結石は、数や大きさ、位置、腎機能によって治療法が異なります。急性腎不全に対する点滴などの内科療法も大切ですが、基本的には結石を摘出したり、尿管にステント(管)を入れたり、尿管を一部切除したり、またはSUBシステム(=腎臓と膀胱をつなぐデバイスを設置する)といったような手術が必要です。入院や精密検査を要する場合もあるため、治療の実績や経験が重要です。

 

適切な治療への移行

病院によって対応できる範囲が限られることもありますが、その場合でも、適切な病院へ紹介してもらえるかが大切です。

 

ダクタリ動物病院京都医療センターでの膀胱結石治療について

尿管結石が見つかった場合は、点滴などの内科療法を行うと同時に、手術が必要となることが多いです。どの手術方法を選ぶかはその子の状態によって異なりますが、SUBシステムを選択する場合は、手術が可能な病院をご紹介させて頂きます。また、手術が成功した後も、急性腎不全から慢性腎不全に移行したり、結石が再発したりする可能性があります。食餌療法や生活環境の改善などが欠かせないため、当院では様々な提案を行います。

尿管結石が疑わしい場合は、まず診察に来てご相談ください。