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2023.04.07

猫の中耳炎の症状と原因、治療について|京都市西京区のダクタリ動物病院京都医療センター

京都市西京区、右京区、南区、中京区、向日市、長岡京市、亀岡市 の皆さんこんにちは。
ダクタリ動物病院京都医療センターの院長森です。
今回は、猫の中耳炎の症状と原因、治療について解説させていただきます。

こんなお悩みはありませんか?

・耳をよく掻く

・耳が汚れている

・顔が傾いている(首を傾げたような)

・真っ直ぐに歩けない

・元気や食欲がない

 

このような場合「中耳炎」の可能性があります。

 

中耳炎(ちゅうじえん)とは

中耳炎とは、耳の中の鼓膜よりも奥(中耳腔)に炎症が起こっている状態です。鼓膜よりも手前の炎症であれば外耳炎、中耳よりもさらに奥に炎症が起こっていれば内耳炎となります。中耳炎は、猫でそれほど多く発生するわけではありませんが、外耳道からの感染や口や喉からの感染から起こることもあります。中耳炎を起こすと中耳腔に膿が溜まり、発熱や痛みが起こります。また、耳が聞こえなくなったり、顔が傾いたり、ひどい場合には脳に影響が出る場合もあります。

 

中耳炎が起こる原因

猫は犬と比べると、外耳炎はあまりありません。しかし、アレルギーやダニの感染症、耳に腫瘍ができると外耳炎を引き起こします。外耳炎が重度に悪化すると中耳炎になる場合があります。また、ウイルス感染症や口内炎などから中耳炎を引き起こす場合もあります。

 

中耳炎を適切に治療するためのポイント

中耳炎を適切に治療するためのポイントは以下の3点です。

 

①正しく中耳炎の診断ができるか

中耳炎は猫ではあまり見かけない疾患ではありますが、たまに遭遇する中耳炎は診断が難しく、治療も長期間にわたることも多い、やっかいな疾患です。外耳炎があれば、耳鏡と言って耳の中を覗く器具を使用して、よく耳の中を観察する必要があります。また、顔が傾くなどの神経症状にも常に注意する必要があります。

 

②中耳炎の確定診断に至ることができるか

中耳炎と診断するためには、少なくとも耳鏡で耳を覗くだけでは診断できません。CT検査もしくはMRI検査を行い、中耳腔における膿の貯留を確認し、感染の有無を調べる必要があります。どちらにしても全身麻酔が必要な検査を行うことになります。

 

③適切な治療への移行

中耳炎と診断されれば、まずは原因の除去、そして、細菌感染が起こっていれば抗生物質の投与を開始する必要があります。また、その抗生物質の投与は長期間になることを覚悟しなければなりません。

 

ダクタリ動物病院 京都医療センターでの中耳炎治療について

猫が執拗に耳を痒がっているのを放置していてはいけません。犬のように単に外耳炎なんてことは、ほとんどないからです。耳に異常を感じたら、診察を受けることをお勧めします。状態によって、CT検査やMRI検査を勧めることもあります。また、中耳炎は悪化すると内耳炎、さらには脳炎に発展することもあるため、早めの診断が重要です。