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2022.12.28

犬の熱中症の症状と原因、治療について|京都市西京区のダクタリ動物病院京都医療センター

京都市西京区、右京区、南区、中京区、向日市、長岡京市、亀岡市 の皆さんこんにちは。ダクタリ動物病院京都医療センターの院長森です。
今回は、 犬の熱中症の症状と原因、治療について解説させていただきます。

こんなお悩みはありませんか?

・暑い日にお留守番させていた犬がぐったりしている

・車で待たせていた犬の様子がおかしい

・激しい運動をした後にふらふらしている

 

これらの症状は熱中症を起こしている可能性があります。

 

 

熱中症(ねっちゅうしょう)とは

様々な原因で体温が高くなり、排熱しきれず複数の臓器へ影響がでることをいいます。

状態によりますが、重度の場合は死亡率が50%を超えると言われています。

 

熱中症の原因

通常、体温管理は体表からの排熱や、鼻呼吸などで行われます。

猛暑日などに高温にさらされる、過度な激しい運動や痙攣などの異常な筋肉運動などによって発熱したとき、排熱管理の限界をこえると高体温となります。

また、肥満状態や短頭種(パグやブルドッグなど)、大型犬は排熱がうまくいかないことで高体温になりやすいとされています。

 

 

熱中症の治療ポイント

 

①冷却

通常、犬は38-39℃の体温が正常とされますが、41℃を超えてくると体の代謝がうまくいかなくなり、様々な臓器への影響がでてきます。

そのため、まずお家でできる事としては、首や手足など、血管が皮膚表面に近い部分を冷水や氷のうなどで冷やすことが第一になります。

また、体表を霧吹きの水で濡らしながら扇風機を当てることで体表から冷やすことができます。

 

②脱水の補正

全身の体温が上がることで臓器に血液が集中して脱水するので、静脈に点滴して脱水を改善します。

 

③各臓器への治療

熱中症は、程度にもよりますが低血圧とショックを引き起こす疾病であり、全身的に血流が下がることで多臓器不全になることがあります。腎臓や消化管の障害や、血管炎などで全身に炎症が広がる事があり、これらの炎症や二次感染を防ぐ治療を行います。

 

 

熱中症を予防するには

 

家でのお留守番も熱中症の危険があることを把握する

室温が28度を超えると注意が必要で、31℃を超えると犬には危険な状態になります。

室内で日陰になっていても体温が発散できなければ熱中症のリスクはあるので、お留守番をする際には室温管理をしておきましょう。

 

暑い日は極力外に出ないか、時間を短くする

暑い日の熱されたコンクリートの地面は犬の足裏からごく短時間で体温を上げるリスクが高く、可能な限り暑い時間帯を避けるか、極力地面を歩く時間を減らすようにしましょう。

 

体温を内側から下げる

体温は体の内側からも下げることができるので、まめな水分補給で高体温になることを防ぎましょう。

 

 

ダクタリ動物病院 京都医療センターでの治療について

 

まず直腸温度を測定してその時点の体温を把握し、必要であれば冷却処置をします。

血液検査、レントゲン検査や超音波検査などを行い、肺や臓器の状態を確認します。臓器に障害が出ていた場合、血管に留置をとり、抗生剤や点滴などの治療を開始します。

全身に炎症が出ているなど、危険な状態の場合は入院することもあります。