2023.01.09
京都市西京区、右京区、南区、中京区、向日市、長岡京市、亀岡市 の皆さんこんにちは。ダクタリ動物病院京都医療センターの院長森です。
今回は、犬のアジソン病の症状と原因、治療について解説させていただきます。
こんなお悩みはありませんか?
・なんとなく元気がない気がする
・よくふるえている
・食欲がない
・嘔吐することがある
・下痢が長期間つづいている
これらの症状はアジソン病の可能性があります。
アジソン病とは
体の中でステロイドホルモンをつくる「副腎」という臓器が小さく縮んでしまって、体の中で十分な量のステロイドホルモンの分泌ができなくなる病気です。
アジソン病の原因
原因はハッキリしていませんが、自身の免疫にエラーがでてしまい、自分の副腎を破壊してしまうという説があります。また、リンパ腫などの腫瘍や、血栓症、薬剤によるものなども原因としてあります。
アジソン病になるとどうなるか
通常、副腎からはミネラルコルチコイド、グルココルチコイドというステロイドホルモンが分泌されています。アジソン病になると、それらのホルモンが十分に分泌されなくなります。
ミネラルコルチコイド
体内の水分・電解質バランスをとるホルモンで、これが不足すると低血圧や、心臓が送り出す水分量が低下したり、心臓の機能に異常がでたりすることがあります。
グルココルチコイド
肝臓で糖をつくったり、ストレスや炎症に耐えるときに必要なホルモンで、不足すると元気がなくなったり、ストレスに過敏になったりします。
アジソン病の治療ポイント
①診断
症状には、嘔吐、食欲不振、元気消失、下痢などがあります。これと同じ症状で別の病気がたくさんあるので、アジソン病の診断には超音波検査と血液検査、尿検査が重要になります。
②投薬・点滴
低血圧や低血糖など、命にかかわる所から治療をはじめます。
糖の投与や、点滴で体の循環を良くして、ステロイドホルモンの投与を迅速に行います。
また、継続的なステロイドホルモンの補給は内服薬で継続して行いますが、1ヵ月に1回の注射という方法もあります。
ダクタリ動物病院 京都医療センターでのアジソン病の治療について
呼吸の状態や意識状態など、状態が悪い場合はまず緊急措置として血液検査や画像検査を行ったうえで血管に留置を行い、輸液を開始します。その後呼吸状態や尿量などをみながら投薬を考え、治療を開始します。状態が安定したら、ホルモン剤を投薬しながら、定期的に治療の方針を考えていきます。