2020.10.15
無麻酔の歯石除去は要注意
動物病院ではない場所で、獣医師ではないのに、歯石除去をしている所があるらしい。
人で言うと、歯科医院でない場所で、歯科医師ではないのに、歯石除去をするのと同じことになります。
法律上も危ない気がするが、どうなのだろう。
実際の有効性にも疑問しかない。
例えば、こんな実例があります。
定期的に、無麻酔で歯石除去をしていたそうです。
口の中を見てみると、確かに、歯石がない。
素晴らしい。
いや、でもよく見ると、歯茎がけっこう後退しています。
本来の歯茎のラインは、緑の線で示したところです。
結構、歯根(歯の奥)が露出しています。
口臭もあります。
実際に、歯と骨がどうなっているのかというと・・・
こんな感じです。
特に、上の顎の骨が溶けて、歯がグラグラになっています。
赤で囲ったところです。
歯の形がはっきり見えるくらいに、顎の骨が溶けてなくなっています。
最初の写真のように、見た目の歯石はないようにできても、歯周病の進行は止められていません。
むしろ、見た目がわりときれいになっているものだから、本来の治療の機会を失っているのです。
知らない間に、余計に進行していたのです。
動物病院以外での、無麻酔での歯石除去はやめましょう!