2020.05.14
横隔膜ヘルニア
ネコで避妊手術や去勢手術をしようとなった段階で、横隔膜ヘルニアが見つかることがたまにあります。
他院からも、そんなふうに見つかったネコの紹介がたまにあります。
横隔膜ヘルニアとは、生まれつき、もしくは、事故等で胸(肺や心臓のあるところ)とお腹(肝臓や腸があるところ)とを隔てている膜(横隔膜)が破れてお腹の中にある臓器(肝臓や腸)が胸に入りこむ病気です。
これは右に頭があり、体を横から見ています。
縦に切って臓器を見やすくしています。
緑の線が横隔膜で、それより左に心臓があります。心臓の周りが肺です。
緑の線より右に肝臓があります。さらに左に胃や腸があります。
これが横隔膜ヘルニアの状態です。
肝臓の大部分が、緑の線(横隔膜)を越えて、左に入りこんでいます。
最初の画像に比べると、心臓も肝臓に押されて、左に移動しています。
これでは呼吸が苦しいですね。
呼吸の回数が多い場合には、こういう病気も疑うべきです。