• ホーム
  • ブログ
  • 犬の椎間板ヘルニアの症状と原因、治療について|京都市西京区のダクタリ動物病院京都医療センター

2023.02.28

犬の椎間板ヘルニアの症状と原因、治療について|京都市西京区のダクタリ動物病院京都医療センター

京都市西京区、右京区、南区、中京区、向日市、長岡京市、亀岡市 の皆さんこんにちは。
ダクタリ動物病院京都医療センターの院長森です。
今回は、 犬の椎間板ヘルニアの症状と原因、治療について解説させていただきます。

こんなお悩みはありませんか?

・後ろ足が動かない
・足を引きずる
・ふらついている
・散歩を嫌がる
・抱っこをするとキャンと鳴く
・首や背中に触れると嫌がる
・背中を丸める

このような場合「椎間板ヘルニア」の可能性があります。

椎間板(ついかんばん)ヘルニアとは

脊椎(背骨)同士をつないでいる椎間板が変性して突出し、その上を通る脊髄(神経)を圧迫することで起こる病気です。症状は圧迫の部位や程度によって様々ですが、主なものは痛みと麻痺です。

痛みがあると、散歩や抱っこ、首や背中に触れることを嫌がります。背中を丸め、首を動かしたがらず上目遣いになるなどの症状がみられます。

脊髄は脳からの指令を全身へ伝える重要な神経(中枢神経)なので、強く圧迫されると、その部位より後ろには指令を伝えることが出来なくなり、麻痺が起こります。頸部の圧迫では、前足や後足の麻痺が起きます。軽度であれば歩行時にふらつく程度ですが、重度では歩行困難になります。胸部や腰部の圧迫では、後足にだけ麻痺が生じるので前足だけで移動するようになります。また、麻痺が足だけでなく膀胱や肛門に及ぶと自力で排尿・排便のコントロールが難しくなります。

 

椎間板ヘルニアが起こる原因

高齢の犬では椎間板が変性しやすく、徐々に突出して脊髄を圧迫します。

また、遺伝的に若いうちに椎間板が変性しやすい、軟骨異栄養性犬種と呼ばれる犬種が存在します。ミニチュア・ダックスフンド、コーギー、ビーグル、シー・ズー、ペキニーズなどが当てはまり、急に発症することが多いとされています。さらに、交通事故や高い所からの落下で強い衝撃を受けると発症することがあります。

 

椎間板ヘルニアを適切に治療するためのポイント

正しく椎間板ヘルニアの診断ができるか

症状から確定診断は出来ないため、適切な知識を持ってアプローチしていくことが大切です。椎間板ヘルニアを疑った場合は神経学的検査により、おおよその圧迫部位と痛みや麻痺の程度を評価します。また、レントゲン検査で椎間板ヘルニアかどうかを推定し、同様の症状を示す他の疾患が隠れていないかをみていきます。

椎間板ヘルニアと診断するにはMRI検査やCT検査が必要です。これらの検査は麻酔をかけないと出来ない検査ですが、レントゲン検査では難しい圧迫部位の特定ができ、手術を行う場合には重要です。

適切な治療法の選択

軽度の場合は安静と鎮痛薬の投与で改善することが多いものの、原因の治療ではないため再発することが少なくありません。根本的な治療には手術で脊髄の圧迫を取り除くことが必要です。また重度の場合には内科療法での改善は期待できず、手術を選択します。手術後にはリハビリを行い、機能回復を図っていきます。

スムーズな診断と治療

重症例では緊急手術が必要となる場合があります。はじめは症状が軽度でも短時間で重度に進行することがあります。発症して時間が経ってからの手術では脊髄へのダメージが大きく回復率が下がるため、早期の診断と治療が予後を左右することがあります。

 

ダクタリ動物病院 京都医療センターでの椎間板ヘルニア治療について

触診を含む身体検査や神経学的検査、レントゲン検査を行い、症状の原因がどこにあるのかを探っていきます。確定診断を行うにはMRI検査やCT検査を実施します。また、重症であると判断した場合には手術による治療をご提案させていただくことがあります。