2021.07.13
開腹手術の判断
誤食したからと言って、必ず開腹手術とはなりません。
吐いて出ることもあるでしょう、
便とともに出ることもあるでしょう、
内視鏡で取り出せることもあるでしょう。
それらで出なかった場合、
出なさそうな場合、
腸に詰まっている場合、
開腹手術が必要になります。
実際に誤食して、それが腸に詰まっていて、吐き続けている。
そんな場合でも、本当に手術が必要か迷う場面も多い。
開腹手術の判断にCT検査
明らかに、腸に詰まっているような場合、
迷わずに回復手術でしょう。
- 若い犬や猫が吐き続けていて、他にこれといった疾患がない
- 以前にも誤食歴がある、今回もあやしい
- 「変な物は食べていません」って言うけど、あやしい
- 吐いていて食欲がなく、点滴してたけど、一向に良くならない
とにかく「あやしいぞ」って場面は、多々あります。
もちろん、その全てで手術が必要なわけではありません。
「お腹開いたけど、何もありませんでした」ってわけにもいきません。
そこで、CT検査が有効打になることがあります。
実際の事例
このワンちゃんも吐き続けていて、食欲がなくなっていました。
「誤食の可能性は、はっきりしない」だそうです。
仰向けのCT画像です。
よく見てください、白い管に見えるのが小腸で、途中が黒い塊があるように見えませんか?
こんな画像はいかがでしょうか。
骨と内臓だけ見えるようにしてみました。
緑色に強調しています。
子供用の水筒のゴム製のパッキン的なものだそうです。
お家に小さい子供がいるご家庭は、
誤食の危険性を注意した方が良いでしょう。
小さいおもちゃを食べてしまったり、
子供のおやつやごはんをたべてしまったり。
もう一つ、実際の事例
このワンちゃんも吐いて、食欲がなくなって。
お腹の中に、やたらと白く見える紐みたいな影が見えます。
こんな感じでしょうか。
腸を透けさせてみましょう。
どうでしょうか。
腸の中に、うねうねとしたものが詰まっています。
これは、確か犬用のおもちゃのひもだったような。
犬や猫用のおもちゃは、いろんな種類がありますが、
与える時には「絶対に食べて飲み込まないもの」を選ぶようにしましょう。
市販のもののほとんどは、そのあたりに気を付けて作られていますが、
中には危ないものもあります。