2021.02.16
股関節脱臼 その2
さてさて、
股関節脱臼にはどのような治療法が行われるのでしょうか。
非観血的整復(ひかんけつてきせいふく)という方法があります。
非観血的とは、
血を見ない、つまりは、切ったりしない、すなわち、外科手術をしないということです。
簡単に言うと、
足を引っ張って、外れている股関節をはめましょう、という方法です。
この方法で、治る場合もあります。
が、すぐに外れる場合の方が多いように感じます。
あとは、手術です。
人工関節という方法があります。
ヒトと同様ですね。
ワンちゃんでは、なかなか出来る病院は少なく、
また、費用もそれなりです。
外れないように、
ワイヤーで留めるような方法もあります。
最後に、
骨頭切除(こっとうせつじょ)という方法です。
若干野蛮に聞こえるかもしれませんが、
外れてしまっている股関節の骨(骨頭)を切ってしまうという方法です。
これは、「その1」でご紹介した
股関節脱臼のワンちゃんに対して、
骨頭切除を行った、術後のレントゲン写真です。
オレンジの方は、正常の足です。
緑の○の中を見てもらうと、
オレンジの〇の中とは違って、骨頭がありません。
緑の線のところで、
切り落としたのです。
「こんな手術して、歩けるの?」って思いませんか?
実際は、けっこうしっかり歩けます。
リハビリもして、筋肉をしっかり付けたら、
町を散歩していても気付かない程度になります。
案外合併症も他と比べて少なく、
経過も良かったりします。