2021.02.02
歯が悪い、でも、それだけ?
ワンちゃんは、虫歯になりにくいと言われますが、
歯石は付きやすいようです。
歯石が付くと、口臭がひどくなるし、
放っておくと歯肉が後退し、歯がグラグラしてきます。
そこまで進んでしまうと、抜くしかなくなります。
悪くなった歯は、抜いてしまえばいいのかもしれませんが、
歯が悪くなったときに、歯だけの問題ではないかもしれません。
これは、結構歯が悪いワンちゃんの、犬歯の辺りのCT画像です。
犬歯は白く、しっかりと映っていますね。
緑の線を引きましたが、この線が顔の中心になります。
この線に対して、左右を見比べてみましょう。
赤の矢印の指しているところを見てください。
左と比べてください。
犬歯と鼻の骨との間に隙間が空いてしまっています。
これ、骨が溶けているのです。
犬歯の歯石が原因で、歯周病が原因で、歯の周囲の骨が溶けてしまっているのです。
次に、青で囲ったところを見てみましょう。
黒くなっている所は、鼻の中が溶けているようです、
その黒くなっている上側はグレーになっています。
これは、なんらかの液体が溜まっているようです。
鼻水、鼻血、膿・・・。
悪い犬歯の周囲で、
骨が溶けたり、鼻の中が溶けたり、液体が溜まったり、
いろいろなことは起こっているようです。
「歯が悪い」だけでは済みません。
もう、この犬歯は抜くしかなさそうです。