2020.11.24

門脈体循環シャント その3

門脈体循環シャント(PSS)を疑う

全てのワンちゃんがそうであるとは限りません。

疑う症状や血液検査結果がある場合、CT検査を勧め、実施します。

ただ、「おかしな血管」がない場合もあります。

 

「おかしな血管」があった場合には、診断は容易ですが、ない場合は慎重になります。

だって、見落としている可能性があります。

 

また、「おかしな血管」があった場合の、検査結果はわかりやすく、

「その血管」が写っている写真を見せます。ない場合の検査結果は難しく、

「ない血管」をどう表現するのか悩みます。

「肝臓の大きさを示す」という方法があります。

たいていのPSSのワンちゃんは、肝臓が小さいのですが、

肝臓が小さくないことはPSSではないことの一つの検査結果になります。

PSS 否定

これは、「PSSではないワンちゃんの

お腹の断面です。

 

PSS 否定 ペイント

オレンジで囲った三角の部分が肝臓です。

この大きさは、正常といえるでしょう。

 

これに比べて、PSSのワンちゃんの肝臓の大きさを比べてみましょう。

PSS 軽度 2 ペイント

どうですか?

上の写真と比べると、小さいことがわかります

 

さらに重度のワンちゃんはどうでしょうか。

PSS 重症 4 ペイント

最初の正常のワンちゃんに比べると、肝臓の大きさは半分くらいです。

 

このように、PSSのワンちゃんの肝臓は小さいことが多いのです。