2020.07.18
CTの有用性(例えば、副腎腫瘍)⑥
「右副腎」に「腫瘍」が出来ていそうだ。
前回は、ここまででした。
さて、今回は手術で取れるのかどうかのお話です。
副腎は、被膜といって薄い膜で包まれています。
端的にいうと膜に包まれたままだと手術はしやすそうです。
逆に、膜が破れている(腫瘍が膜を破って飛び出している)と手術は難しそうです。
また、副腎の腫瘍で、特に悪性の場合には近くを走る大きな血管の中に入り込む場合があります。
当然、大きな血管に入り込んでいると、手術はかなり難しくなります。
この画像は、お腹を縦に切った断面で、白く連なっているのが太い血管(大静脈)です。
血管に入り込んでいるかは、「入り込んでいる場所を見つける」しかありません。
わかり易くしてみました。
オレンジで囲ったところが、血管です。
緑で囲ったところが、右副腎です。
赤の矢印で示したあたりで、血管の中に、ぽこっと入り込んでいるように見えます。
どうやら、手術は難しそうです。
つづく