2020.07.10
この胆のうはとる方がいい?
CT検査で、胆のうの評価をする場面も多くあります。
正常の胆のうは、肝臓の中に肝臓よりは黒い色で丸く映ります。
さて、この胆のうを見てください。
これは肝臓の断面ですが、肝臓よりやや黒く見える胆のうの中に白い塊が見えます。
わかり易くすると・・・
オレンジで囲ったところが胆のうです。
上の方が、周りの肝臓よりやや黒いのがわかると思います。
下半分は、白くなっていて、これは胆石です。
胆石は、やたらと白く見えます。
重力で胆石は、下にたまるのでオレンジの下半分に胆石がたまっているように見えるのです。
さて、次の胆のうを見てください。
写真の上の方に、周りの肝臓よりもやや黒い丸い胆のうが見えます(よね?)。
その胆のうの上に、白い線上の塊が見えます(よね?)。
わかり易くすると・・・
オレンジのまるで囲ったところが、胆のうです。
緑で囲ったところが、胆石です。
さて、1番目の胆のうと2番目の胆のうとどちらの方が手術の緊急性が高いのでしょうか。
1番目に載せた胆のうと比べると、2番目の胆のうでは胆石の量は明らかに少ないようです。
しかし、今回は胆石の量よりも位置が重要かもしれません。
1番目の胆のうの胆石は、下に落ちています。
おそらく体の向きで、ころころ動くタイプです。
2番目の胆のうの胆石は、重力に逆らって上に位置しています。
これは、胆のうの壁にへばりついていることを示しています。
おそらく、胆のう炎を起こしている、もしくは、起こしていたことを示しています。
胆のう炎は、胆のう破裂の危険を伴います。
2番目の胆のうの方が、なんだか怖く見えてきました(よね?)。