2020.05.08

動物用の薬?人用の薬?

先日、薬の処方について質問を受けました。

なるほど、こう言った疑問をブログでご紹介できるのではないかと思いました。

そこで、何回かに分けて動物病院での薬の処方について書いてみようと思います。

 

動物病院で扱うことができる薬の大半は、ヒト用の薬で、動物用(主にイヌ・ネコ用)の薬(認可があるという意味)は1割ほどでしょうか。

動物薬

これはイヌ用の薬。箱にイヌの絵柄がありますね。

 

動物病院によって考え方はいろいろで、

ヒト用の薬を主に使う派

動物用の薬があれば積極的に取り入れる派

中間派

があると思います。

ちなみに、私たちの病院は②です。

 

さて、メリット・デメリットです。

ヒト用の薬のメリットは、

種類が圧倒的に多い

原価が比較的安い(ものによりますが)

 

デメリットは、

イヌやネコで使用の認可がおりていない

あくまでも獣医師の裁量で使う必要がある

ヒトの体重を基本に1錠が設定されているので、例えば5kgのイヌなら細かく割ったり、粉にして処方する必要がある

 

動物用薬のメリットは、ヒト用とは逆になります。

イヌやネコに合わせて設計されている

メーカーからの情報等のサポートがある

イヌ・ネコの体重基準なので、1錠そのまま出せる(割る手間が最小限)

フレーバー(味)が付いているので飲ませやすい

 

デメリットは、

種類が圧倒的に少ない(ヒト用に比べて)

原価が高い

フレーバー(味)が付いているので、嫌がる時がある

 

私たちの病院は、たとえ原価が高くても、動物用に安全性がある程度担保されいることから、動物用の薬を積極的に採用しています。(利益はかなり低いのですが

 

今後、薬の処方の方法、海外輸入薬のこと、飲ませ方、書いていきたいと思います。