2022.12.28
京都市西京区、右京区、南区、中京区、向日市、長岡京市、亀岡市 の皆さんこんにちは。ダクタリ動物病院京都医療センターの院長森です。
今回は、猫の糖尿病 の症状と原因、治療について解説させていただきます。
こんなお悩みはありませんか?
・尿の量が多い
・水をよく飲む
・脱水している
・下痢・嘔吐している
・なんだか痩せてきた
このような場合「糖尿病」の可能性があります。
糖尿病(とうにょうびょう)とは
糖尿病とは、インスリンが不足することで様々な代謝異常を起こす症候群です。
猫では健康診断で偶発的に見つかることが多く、非常に一般的な疾患ですが、その原因や程度は多岐にわたります。また、糖尿病は進行すると代謝異常による神経症状や脱水によるショック症状などの、入院を要する重篤な症状を呈することがあります。そのため健康診断などの定期的な検査による早期発見・治療が重要です。
糖尿病になる原因
猫の糖尿病で特に多いのが肥満や感染症、膵炎に続発する糖尿病です。膵炎は猫に多い疾患で、炎症によりインスリンを作る細胞が破壊されることで糖尿病が起こります。また肥満による糖尿病は去勢済みの雄に多いとされますが、明らかな原因は不明です。
糖尿病を適切に治療するためのポイント
糖尿病を適切に治療するためのポイントは以下の3つです。
糖尿病の正確な診断
糖尿病は尿検査、血液検査、臨床症状を総合的に評価して診断します。⑴尿検査で持続的に尿糖が陽性になっている、⑵血液検査で持続的に血糖値が高い、⑶多飲多尿や体重減少などの臨床症状が見られることなどが基準になっています。一時的な尿糖や高い血糖値は健康な猫でも認めることがありますので、検査で異常があった場合は再検査を検討します。
適切なインスリン製剤と投与量の決定
インスリン製剤への反応は個々に違いがあります。そのためインスリン投与後の血糖値を測定して、適切な投与量を決定する必要があります。また当院では複数のインスリン製剤を導入しておりますので、症例に適するインスリン製剤を選択する必要もあります。
糖尿病以外の疾患の早期発見と治療
糖尿病は高齢の猫が罹患する傾向にありますので、他の疾患を併発することも多いです。特に膀胱炎などの炎症性疾患や慢性腎臓病などの疾患はインスリン抵抗性や食欲不振を起こしますので、血糖値のコントロールが難しくなります。そこで、糖尿病以外の疾患を早期に発見し治療するための胸・腹部の超音波検査やレントゲン検査を定期的に行う必要があります。
ダクタリ動物病院 京都医療センターでの糖尿病の治療について
当院では糖尿病と診断すると、必要に応じすぐにインスリン治療を始めます。インスリンは症例によって種類や必要な投与量が異なっておりますので、まずは血糖値を計測しながらそれらを決定します。投与量が決定した後はお家で皮下投与を行っていただき、定期的に血糖値のチェックを実施していきます。
当院は数種類のインスリンを常備しておりますので、症例に沿った糖尿病治療を提供することが可能です。またお家で治療が難しい場合には、入院での治療も行っております。